「個人事業主の経費について知りたい」
「個人事業主が経費として計上できる費用とは?」
確定申告を提出する際、このような疑問を抱いた方はいないでしょうか?
確定申告を提出する際は、経費として計上できるものと計上できないものがあります。
本記事では、個人事業主における経費の判断基準や経費として計上できるもの・できないもの、経費に関するQ&Aについて詳しく解説します。ぜひ、参考にしてください。
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個人事業主の経費とは?
個人事業主の経費とは、事業する上で発生した費用を指します。
業務上必要とされるものは、仕入に伴う費用・販売費・一般管理費などの事業所得・不動産所得・雑所得です。
経費はその年に得た収入から差し引き、確定申告に正しく経費計上することで、節税に繋げられるでしょう。
しかし、節税を意識しすぎると、不正計上と認識され、ペナルティが課せられる可能性があるので、注意してください。
個人事業主が経費にできる上限とは?経費にできるかの判断基準
個人事業主の判断基準は、事業とプライベートの支出が曖昧になりやすく、経費になるのか判断に迷う方も多いでしょう。
国税庁による経費の判断基準は、以下の通りです。
判断に迷った際は、上記の基準を参考に改めて見直してみてください。
正当な事業関連性が主張できる
税務署から「事業に関係する経費であることの証明」を求められた際に、事業であると客観的に証明できる必要があります。
例えば、飲食代であれば「取引先または見込客のだれと」「どのような必要性があって飲食したのか」を明確にしなければいけません。
発行された領収書を保管する際に「打ち合わせ」「営業」といった支出の理由を書き添えるなど、経費とする理由や必要性を記載し、まとめておくことをおすすめします。
出費金額が常識の範囲内であること
個人事業主の経費に上限はありません。
しかし、売上規模に対して出費の額が大きすぎるなど妥当性に欠ける場合は、税務署から指摘を受ける可能性があります。
例えば、年間売上が650万円の個人事業主が1回1.5万円程度の接待交際費を1年間に数回出費したのであれば、経費として見なされる可能性が高くなります。
同じ売上の個人事業主が、1回10万円以上の接待交際費を毎月出費していると、不自然な出費として税務署から指摘が入るかもしれません。
個人事業主自身の出費ではない
業務に関する書籍や企画のための資料として使う書籍であれば、新聞・図書費の項目に計上できる可能性が高くなります。
また、業務内容から英語の使用が明らかであれば、英会話講座の授業料を「研修費」として計上できる場合もあります。
どの場合であっても、事業に関する出費、収入を得るための出費であることを明確に証明してください。
領収書は必要?個人事業主が経費として計上するために必要なもの
個人事業主が経費として計上するためには、手書き宛名入りの領収書やレシートなど証拠となる書類が必要です。
そのため、普段からレシートなどをもらう習慣をつけ、その支出の用途を簡単にメモしておいてください。
クレジットカードを利用した場合は、利用伝票が領収書の代わりとなります。
銀行振込の場合は、ATMから出てくる振込明細と請求書や納品書などを併せて保管しておきます。
交通費などで領収書をもらえなかった場合は、出金伝票として残しておいてください。
主に、証拠書類として認められるものは、以下の通りです。
- 手書きの宛名入り領収書
- レシート
- 請求書
- 納品書
- クレジットカード利用伝票
- メール領収書
- 出金伝票
個人事業主が経費として計上できるもの・できないもの一覧
個人事業主が経費として計上できる項目は、細かく分けられています。
経費として計上できるもの・できないものを一覧表にまとめたので、確認しておきましょう。
勘定科目 | 概要 | 経費になる例 | 経費にならない例 |
租税公課 | 税金や公的な負担金 | 個人事業税、事業利用資産の固定資産税、自動車税、登録免許税、印紙税 | 所得税、住民税、法律違反による加算金や罰金 |
荷造運賃 | 荷物の運賃や梱包費用 | 商品や製品の配送にかかる運賃や段ボールなどの梱包資材代 | ― |
水道光熱費 | 電気代、ガス代、水道代 | 事務所などで使う水道代、ガス代、電気代、灯油代 | 自宅兼事務所の場合のプライベートでの利用にあたる光熱費や水道代 |
旅費交通費 | 移動費用、宿泊費用 | 事業で移動する場合の交通費、事業での宿泊費やコインパーキング代 | 駐車違反の反則金、出張先での個人的な観光費用 |
通信費 | 郵便、電話、インターネット料金 | 事業で使う切手やはがき代、固定電話や携帯電話料金、インターネットなどの回線使用料 | 事業とプライベート兼用の携帯電話使用料のうち、プライベートでの使用分 |
広告宣伝費 | 事業や商品の広告に関する費用 | Webや雑誌などの広告掲載料、チラシやポスター、カタログなどの印刷費用 | ― |
接待交際費 | 取引先への接待や贈答にかかる費用 | 売上に結び付く取引先や仕入先との飲食代や贈答品代、慶弔費 | プライベートで会った取引先との飲食代、個人的に参加したゴルフコンペ代 |
損害保険料 | 事故や火災などの損害保険料 | 事務所の火災保険料、事業で使う車の自動車保険料、自賠責保険料 | 事業主自身の生命保険料、国民年金保険料、国民健康保険料(ただし控除が受けられる) |
修繕費 | 建物や機械などの修理代 | 店舗、機械、器具、自動車などの修理代(減価償却資産にあたらないもの) | ― |
消耗品費 | 取得価額が10万円未満か使用可能期間(法定耐用年数)が1年未満の消耗品 | 文房具、伝票、名刺、作業用デスク、10万円未満のパソコンなど | プライベートでも使用できる服や靴、私的な書籍代 |
減価償却費 | 10万円以上かつ1年以上使用可能な固定資産を、法定耐用年数に従って分割し計上する費用 | 建物、車、コピー機、オフィス家具、機械(法定耐用年数に従って一部を経費計上する) | ― |
福利厚生費 | 従業員の慰安、医療、保険などのための費用 | 従業員への慶弔費、社員旅行、忘・新年会、健康診断費 | 事業主本人の医療費や健康診断費 |
給料賃金 | 従業員への給与 | 従業員に支払う給与 | 事業主本人が受け取る給与 |
外注工賃 | 外部に業務を委託して支払った費用 | 外部の業者・事業主に業務を発注した際の支払い、電気工事代 | ― |
利子割引料 | 借り入れの支払利息、分割払いの手数料 | 事業用の借入金の支払利息、手形の割引料 | 借入金の元本の支払い |
地代家賃 | 事務所などの家賃や使用料 | 店舗や事務所の家賃や礼金、駐車場代 | 敷金、保証金(償却分は経費になる) |
貸倒金 | 取引先の経営悪化や倒産により回収が不能となった損害金額 | 回収不能となった売掛金や貸付金、未収入金 | ― |
雑費 | 他の経費にあてはまらないもの | 事業に関わる引越し代や書籍代、クリーニング代、年会費、銀行の振込手数料 | ― |
ぶっちゃけ経費になるの?個人事業主が実は経費として計上できるもの4選
上記では、経費として計上できるものとできないものについて解説しましたが、「経費」と「経費に当たらない出費」の違いが曖昧になることがあります。
曖昧になりがちな項目として、以下のようなものが挙げられます。
個人事業主の経費は、適当に計上してしまうと税務署から経費として認められず、トラブルとなる可能性もあるので注意してください。
家賃
個人事業主の事務所が住居と一体化している場合は、住居全体の面積と事務所スペースの面積の割合を出し、その数値から経費分として家賃を算出してください。
例えば、全面積が80平方メートルのマンションに居住している場合、6畳1部屋を事務所として使用しているのであれば、割合はおよそ10%です。
この場合、家賃が10万円だと経費として計上できるのは1万円です。
水道光熱費
個人事業主が契約している水道光熱費のうち、家事按分として割合を出しやすいのは、電気代です。
家事按分とは、プライベートによる生活費と必要経費が混在している費用から、事業に使用した経費部分を算出することです。
パソコンなどの作業量が多い職種は、家事按分としての費用が高額になることが多くなります。
通信費
個人事業が使用している携帯電話の電気代やインターネットプロバイダの契約費などは、仕事で必要不可欠なものです。
本来は、プライベート用と業務用の電話を別々に分けておくことが一般的ですが、必ずしも分けられるとは限りません。
携帯電話なら通話履歴からプライベート通話と業務用の通話の割合を出す、インターネットならプライベートタイムの使用時間と就業時間の使用期間を比較して割合を出しましょう。
カフェ代
仕事上の作業や打ち合わせのためにカフェを利用した場合、代金は経費として計上できます。
判断基準は「実際にそこで仕事をしているかどうか」です。業務終了後やアポイントの間にカフェで休憩したような場合は、計上できません。
個人事業主は車の代金を経費で落とせる
車を所有した場合、さまざまな費用が必要になります。
以下、車を経費で購入しようと考えている方が押さえておくべきポイントです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
自動車関連で経費となるもの
個人事業主が仕事用の車を購入・維持するためにかかる経費は計上できる可能性が高くなります。
自動車関連で経費として計上できるものは、以下の通りです。
- 車両購入費
- 自動車税
- 自動車重量税
- 消費税
- 自賠責保険料
- 車検代
- ガソリン代
- 駐車場代
勘定項目に関しては、全て同じではないので、それぞれの項目に分配してください。
全て経費で落とすことは難しい
仕事専用の車両を購入したとしても、必ずしも全て経費に計上できるわけではありません。
個人事業主が車を所持する場合は「減価償却」という仕組みで計上します。
減価償却とは、高額な物品を購入した場合、その耐用年数に合わせて分割して経費を計上しなければいけません。
確定申告を白色申告で提出する際は10万円以上、青色申告で提出する際は30万円以上が減価償却の対象です。
減価償却が早く終わるのは中古車
もし、減価償却期間を早く終わらせたい場合は、中古車の購入がおすすめです。
中古車は耐用年数の一部がすでに経過している扱いになるので、減価償却期間が新車に比べて短くなるというわけです。
ローンの場合は利息のみ計上可能
車を購入する際は、ローンを検討する方は多いでしょう。
ローン支払いの場合、毎月の支払利息が経費として計上できます。
一方、利息以外の支払いは経費とならないので、注意してください。
個人事業主が経費で落とす2つのメリットとは?
個人事業主が経費を落とすメリットは、以下の2つです。
経費を適切に計上することで、節税に繋げられます。
課税所得額を減らせる
控除額を増やすことで、課税所得税を減らせます。
青色申告であれば、55万円。e-Taxであれば、65万円控除できます。
控除額を増やすためにも、個人事業主として事業するときは青色申告の登録をしましょう。
減価償却の特例を利用できる
青色申告で申請する際、30万円未満の減価償却資産を一度に経費にできる特例があります。
上記を活用すると、節税効果につながるというメリットがあります。
しかし、白色申告にはない制度なので、注意してください。
個人事業主の経費に関するQ&A
個人事業主の経費に関するQ&Aは、以下の通りです。
個人事業主の方は、全ての費用が経費として計上できないことを認識しておいてください。
経費が30万円以上だった場合は?
経費として計上する際は、金額に注目してください。
1つのラインが「10万円」です。
10万円未満であれば、一括して経費として計上することが可能なので、覚えておきましょう。
2つ目のラインが「20万円」です。
青色申告者であれば「少額減価償却の特例」が適用され、一括で計上できます。
30万円以上の場合は「減価償却費」として複数年にわたって固定資産の器具備品の扱いで経理処理され、経費として一括処理できないので、注意してください。
税金は経費にならない?
住民税や所得税は、経費として計上できません。
これは、事業とは関係なく支払うものであるからです。
しかし「個人事業税」や「印紙税」自宅で事業している場合は「自宅の固定資産税」などは経費として計上できるので、覚えておきましょう。
借入金の返済は経費にできる?
借入金の返済については、事業に関係のあるものでも、経費に計上できません。
しかし「利息」は経費に計上できます。
事業する上での資金調達の必要性は、税務署も認めているというわけです。
福利厚生費は計上できる?
個人事業主における「福利厚生費」は計上できません。
福利厚生費は、あくまで「従業員のための費用」であるからです。
事業そのものに必要なものでなければ、経費にできないということを覚えておきましょう。
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この記事では、個人事業主における経費の判断基準や経費として計上できるもの・できないもの、経費に関するQ&Aについてについて詳しく解説しました。
また、経費を申請する際は住所の記載が必要です。
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