品質表示タグ 販売を目的に作った商品には、種類によって品質表示タグを付けることが法律で義務付けられているものがあります。
たとえ小規模の個人店舗であっても、知らずに販売してしまうと罰則を受けることになりますので要注意です。
では、どのような商品に品質表示タグが必要となり、何を記載しなくてはならないのでしょうか。
この記事では、品質表示タグを表示する際の注意事項などについて詳しく解説していきます。
また、品質表示タグに住所を連絡したくないケースもあるかと思います。
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品質表示タグとは?
品質表示タグとは、製造者の連絡先を示しながら、その商品がどのような素材を用いて作られており、どんなお手入れや取り扱いをすべきかについてわかりやすく表示するもので、昭和37年の「家庭用品品質表示法」によって明記が義務付けられているものです。
家庭用品に関するトラブルから消費者を保護することを目的としており、「繊維製品」「雑貨工業品」「合成樹脂加工品」「電気機械器具」の4製品が対象になります。
繊維製品といえば、洋服やズボン、スカート、帽子などといった衣服があげられます。
革製品や手作り石鹸などは雑貨工業品に該当します。
合成樹脂加工品は主にプラスチックで作られた製品で、洗濯機や掃除機、エアコンなどは電気機械器具に該当します。
これらの商品について、品質表示を必ず明記しなくてはならないと定めたのが家庭用品品質表示法で、その法律に定められた記載内容をコンパクトにまとめたのが品質表示タグというわけです。
具体的な洗濯表示の記載記号とは?
品質表示ラベルの多くに記載されているのが、洗濯方法です。
洗濯方法の表示は、下記の記号を用います。
画像引用元:消費者庁|新しい洗濯表示
細かく表示方法が定められていますが、中でも「洗濯の仕方」は温度や洗濯の強さごとに、利用するマークが細分化されます。
製品に適した洗濯方法を見定めて、消費者が長く愛用できるよう、適切なマークを選択しましょう。
品質表示タグへの記載が義務づけられている3つの内容
市場に流通する商品には、私たちが毎日身につける服飾品などの数が圧倒的に多いことから、ここでは繊維製品を例にとって記載の決まりなどを確認していきましょう。
繊維製品の品質表示タグに記載が義務付けられている内容は下記の3点です。
- 繊維・素材
- 洗濯絵(洗濯表示)の記載
- 法人名・連絡先
繊維・素材
その製品がどのような素材を用いて作られているのか、具体的な繊維名を示します。
同時に、製品に使用されている繊維が、その製品に対してどれくらいの割合を占めているのかを示す混用率も表示します。
素材表示に用いる用語は規定に定められており、指定用語を用いて表記しなくてはならない決まりです。
例えばあるセーターが「羊毛50パーセントカシミア50パーセント」と記載されている場合、繊維の素材である「羊毛、カシミア」が、それぞれ1着につき50パーセントの質量を有して混用されていることを示しています。
「羊毛、カシミア」という繊維素材の表示名は、法律に定められた指定用語ですが、ほかにどのような指定用語があるのかを参照したい場合は、消費者庁のホームページに詳細な一覧表がまとめられているので便利です。
洗濯絵(洗濯表示)の記載
製品のお手入れ方法について消費者が戸惑わないように、洗濯方法などを示すのも表示義務の一つです。
これは洗濯絵といわれるわかりやすい記号を用いて製品の洗い方や干し方、アイロンのあて方などを示すもので、衣類や洗濯用品にも海外製品が増えてきたことから、平成28年に国際規格と統一し、記号内は日本語ではなく外国語表記で表示されるようになりました。
洗濯絵の組み合わせ方は、①洗い方②塩素漂白が可能か否か③アイロンのかけ方④ドライクリーニング⑤絞り方⑥干し方となり、番号順に左から右に並べる決まりです。
2行表示も可能ですが、順番を変えることはできません。
法人名・連絡先
製品の製造者の責任を明確にするために、「表示者の氏名又は名称」の表示が義務付けられています。
表示者の名称を法人名とする場合は、登記された正式名を用い、個人の場合は原則として個人名を入れます。
連絡先は製造者の住所あるいは電話番号を示しますが、両方併記することも可能です。
電話番号に関しては携帯電話やファックスは認められていません。
品質表示タグへの記載が任意の内容とは?
品質表示タグへの記載事項として示されてはいるものの、必ずしも示さなくてよい項目に「品番・サイズ」「ロゴ」「付記用語」「原産国」などがあります。
ただし、次のような点で積極的に表示していくことが望まれます。
まず、品番は商品管理の面や問い合わせなどの際などに役立ちますし、消費者目線で見ればサイズが記入されている方が親切です。
ロゴは認知度を上げる点で入れた方が効果的です。
付記用語は製品の取り扱い上の注意点をまとめたもので、製品を長持ちさせるためのコツなどを示すことができます。
製品への思いをアピールすることができ企業イメージのアップにもつながります。
原産国の表記も情報開示に積極的だという企業姿勢を明確に示すことができます。
【要注意】個人のハンドメイド作品でも品質表示ラベルは必須!
品質表示は、一般的な商業施設で流通するような有名メーカーの製品だけに義務付けられているものではなく、ごく小規模なハンドメイド作品などにも記載義務が適応されます。
そのため、ハンドメイド製品での起業や副業を考えている人は、当事者意識をもって事前にしっかりと準備をしておかなくてはなりません。
下記に、ハンドメイド作家が品質表示ラベルを取り扱う際の注意点について、まとめました。
- 品質表示ラベルを付ける場所
- 品質表示タグの作り方
それぞれの詳細について確認をしておきましょう。
品質表示ラベルを付ける場所
「家庭用品品質表示法」によると、品質表示は見やすい個所にわかりやすく表示してあれば、ラベルの形で下げ札としても貼り札としてもかまわないことになっています。
ただし、家庭洗濯等の取り扱い方法については簡単に取れないように繊維製品に取り付けることが求められているため、タグのような形で縫い付ける方法が一般的であるとされています。
品質表示タグの作り方
品質表示タグの作り方については2種類あります。
すなわち自分で作るか外注するかの選択です。
ポイントは製品への取り付け方になりますので、自作するにしても外部に依頼するにしても、簡単に取れないような加工を徹底することが大切です。
自作する方法としては手作業で縫い付けるのが確実ですが、これでは時間も手間もかかるため、布シールなどを使って貼り合わせるといった方法を検討してみるのがよいかもしれません。
外注する場合は、アパレル系専門の印刷会社やタグの制作会社などに問い合わせるのが早道です。
発注量が少なくても対応可能なところもありますので、まずは相談してみることが大切です。
品質表示タグの内容を守らなかった場合は20万円以下の罰金
明示が義務付けられている品質表示ですが、タグを付けなかったり記載内容を守らなかったりした場合はどうなるのでしょうか。
結論から言えば、「家庭用品品質表示法」を守らない場合は、20万円以下の罰金に処せられます。
法律に違反しているかどうかは、消費者庁に設けられた違反相談窓口などに持ち込まれた通報などに基づいて判断されたり、違反が疑われる者に対して市町村が個別に聞き取り調査を行ったり、場合によっては立ち入り調査に入ったりして判断することになります。
品質表示タグで連絡先を公開したくない場合は?
品質表示義務は大手メーカーの製品だけでなく、個人のハンドメイド製品にも義務付けられています。
違反すれば罰則を伴う厳しい法律ですが、そのことが分かったうえでもさらに、連絡先を明らかにして個人情報をさらしてしまうことに根強い抵抗感があるのも確かです。
特に会社に内緒で副業を始めようとしたり、起業がどんなものかちょっと試してみたいだけだったりした場合は、個人を特定されるリスクを避けたいと考えるのも無理はありません。
そんなときには、バーチャルオフィスを借りるという方法があります。
バーチャルオフィスを活用する方法もアリ!
バーチャルオフィスとは、月額料金を支払って住所や連絡先をレンタルするもので、品質表示に記載が義務付けられている運営者情報を個人情報に触れることなく記載可能にするものです。
もちろん法律的には何の問題もありません。
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品質表示タグのよくある質問とは?
最後に、品質表示タグに関するよくある質問をチェックしてみましょう。
- 品質表示タグの素材は何を使用するの?
- 品質表示タグの義務とは?
- 品質表示の必須項目とは?
- 家庭用品品質表示法とは?
- 家庭用品品質表示法の対象外品目には何があるの?
それぞれの内容について、回答をしていきます。
品質表示タグの素材は何を使用するの?
品質表示タグの素材は、表示する品質のレベルによって異なりますが、一般的には紙、布、プラスチックなどが用いられます。
衣料品や靴などの衣料品については、織物や編み物の素材である布地に品質表示タグが縫い付けられることが一般的です。
また、食品や化粧品などの商品には、紙製の品質表示タグが付けられる場合があります。
プラスチック製の品質表示タグもありますが、使用頻度は少なく、特に衣料品には使われません。
品質表示タグには、表示内容を明確にするための法令や規格が定められています。
消費者が商品の品質を確認するために、正確で明確な品質表示が重要であり、適切な素材を選ぶことが求められます。
品質表示タグの義務とは?
品質表示タグには、製造者の連絡先が示されています。
加えて、商品の素材やお手入れ方法などの記載が、義務付けられています。
品質表示タグの設置と記載内容は、「家庭用品品質表示法」によって定められたものです。
品質表示の必須項目とは?
品質表示ラベルに記載する必須項目は、下記の3点です。
- 1.原料である合成樹脂の種類の名称と混合率
2.火気への耐性、変色や変形の可能性といった取扱い上の注意点
3.表示者名や住所、または電話番号
品質表示ラベルに記載が求められる内容は製品によって異なりますが、上記の3つは品物に関わらず、記載が必要になります。
住所・電話番号の記載によるプライバシーの保護に不安を覚える方は、バーチャルオフィスの利用を検討してみましょう。
家庭用品品質表示法とは?
家庭用品品質表示法とは、下記の内容です。
「家庭用品品質表示法」は、消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。
引用元:消費者庁|家庭用品品質表示法
わかりやすく言うと「消費者が製品を安全に利用できるように、扱い方や原材料をわかりやすく記載しましょう」という内容です。
消費者を守るためだけでなく、販売者を不測の不利益や予期せぬクレームから守るための法律ともいえます。
家庭用品品質表示法の対象外品目には何があるの?
製品の中には、家庭用品品質表示法にあてはまらない物も存在します。
下記が、対象外品目の一覧です。
LEDライト製品 アームウォーマー アクセサリー 圧縮袋 アロマ製品(アロマオイル、アロマキャンドル等) 衣類乾燥機 ウェットティッシュ 画材用品(アクリル絵具、色鉛筆等) 玩具 空調関連(加湿器、空気清浄機、扇風機) | 化粧品関連(化粧品等、化粧ポーチ) ゴム手袋 消毒剤(アルコール、除菌剤等) 繊維製のバッグ テープ(両面テープ、マスキングテープ等) 電子たばこ 陶磁器 入浴剤 ぬいぐるみ パイルが無い繊維製のマット | 履物(靴以外のサンダル、スリッパ等) 腹巻 ハンモック 不織布製の製品(フェルト) 文房具 ヘアアクセサリー、ヘアケア製品(ヘアバンド、ヘアブラシ等) ペット用品 ベビー用品(抱っこひも、おしゃぶり、よだれ掛け等) ベルト 枕 マスク関連(織布製、不織布製、マスクケース) マッサージ器具 |
これらにあてはまる製品は、家庭用品品質表示法による規制を受けることはありません。
正しい品質表示タグの知識を得てから事業を始めよう!
繊維製品などは、品質表示を明記することが法律で義務付けられています。
個人で販売するハンドメイド製品にも適応され、素材名、洗濯絵、事業者の氏名・連絡先は必ず表記することが必要です。
しかし連絡先などの個人情報をさらすことに抵抗があればバーチャルオフィスを借りるのも方法です。
中でもNAWABARIなら個人名を伏せたままで品質表示を行うことが可能となります。
どの方法がベストの選択か、検討したうえで事業を始めましょう。
※個人の場合は個人名の表記が必要です。
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