自宅を拠点として仕事をする個人事業主や小規模事業者はプライベートとビジネスの郵便物が混同してしまいがちであり、管理に頭を悩ませる人も少なくありません。
うっかり重要なビジネスの書類を自宅で紛失すると、業務や取引先からの信頼に影響が出てしまうでしょう。
そんな時に便利なのが私書箱と呼ばれるサービスです。
本稿では私書箱の概要やおすすめのサービス、バーチャルオフィスとの違いなどを紹介します。
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私書箱とは?
私書箱はプライベート用とは別にビジネス専用のポストを設けることが出来るサービスです。
サービス提供元と契約すると指定箇所の郵便受けを使用出来るようになり、利用者は任意のタイミングで郵便物を受取りに行きます。
日本国内だけではなく海外でも比較的ポピュラーなサービスです。
私書箱は送り主に自分の住所を知られる心配がないため、自宅をオフィスとして活用している人にとってはプラバシー保護の観点から大きなメリットがあります。
サービス提供者が郵便物を厳重に管理するため盗難の心配がなく、同居人に仕事の郵便物を見られることもありません。
郵便・私設の違い
日本の私書箱には日本郵便株式会社が運営する「郵便私書箱」と、その他の民間企業が運営する「私設私書箱」の2種類が存在します。
これはかつて郵便サービスが国営だった頃の名残です。
なお、日本で単に「私書箱」と呼ばれる場合は郵便私書箱のことを指すのが一般的なので留意しておきましょう。
郵便私書箱は申請が通れば無料で利用出来るというメリットがある一方で、ある程度の事業規模を持つ企業が数多く利用しているためタイミングによっては中々空きが出ません。
対応している郵便物は定型郵便のみです。
一方の私設私書箱はサービス利用料が発生するものの比較的契約のハードルが低く、対応可能な郵便物のサイズが大きかったり転送サービスが用意されていたりなど郵便私書箱にはない利点があります。
東京でおすすめの私書箱
私書箱は自宅オフィスとは異なる住所を使用出来るようになるため、比較的都内一等地にあるサービスが人気です。
ここでは東京でおすすめの私設私書箱をいくつか紹介します。
MT私書箱センター
渋谷と新宿にそれぞれ拠点を構えているMT私書箱センターは、業界で20年以上の歴史を誇る私書箱サービスです。
個人情報保護士が在籍している他、セコムの防犯システムを導入するなど高いセキュリティ性を誇ります。
宅配での転送や営業時間外受取り(新宿店のみ)など、きめ細かいオプションサービスも魅力です。
基本料金は個人名義で1ヶ月あたり税込み3300円、法人名義の場合は6600円となっています。
2ヶ月・3ヶ月など長い期間で契約するほど割安になっていく仕組みです。
別途入会金が税込み2750円かかります。
URL:MT私書箱センター
eポスト
eポストは池袋の住所が利用出来る私設私書箱であり、ID認証や防犯カメラなどセキュリティ性の高さが特徴的です。
160サイズまでの大型荷物や冷凍・冷蔵の荷物にも対応しているため、幅広い用途で利用出来るサービスであると言えるでしょう。
管理ページから申請すれば、不要な郵便物を破棄してもらうことも出来ます。
基本サービスの料金は1ヶ月契約の場合個人名義で税込み3300円、法人名義は税込み6600円です。
契約期間に応じて1ヶ月あたりの利用料金が安くなり、入会金は税込み550円となっています。
URL:eポスト
ストックプラス
都内の一等地である銀座に私書箱を設置しているのがストックプラスです。
事業所として店舗を構えている珍しいタイプの私設私書箱となっており、安心感の高さから女性の利用客から多くの支持を得ています。
郵便の到着通知サービスが無料で利用出来る、屋号でも個人契約が可能など良心的なプラン設計が強みです。
料金プランは郵便物のサイズによって異なり、個人のみ利用可能なSサイズプランは3ヶ月で税込み7260円から契約出来ます。
法人はMサイズプランから契約可能で、3ヶ月で税込み1万4520円です。
なお、初期費用として開設費が税込み2200円必要です。
URL:ストックプラス
上野ビジネスリンク
台東区上野でバーチャルオフィス事業を展開している上野ビジネスリンクでは、私設私書箱サービスも用意しています。
ニックネーム登録・到着通知・管理システムなど基本プランの内容が充実しているだけでなく、大型・冷凍・冷蔵といった特殊な荷物もオプションで対応可能です。
最短で即日利用が可能という契約手続きのスピード感も魅力と言えるでしょう。
基本利用料金は「女性・シニア」「個人」「グループ・サークル」「法人」など、契約者の属性によって細かく分かれています。
個人の場合は月額税込み2750円、入会金が税込み2200円、デポジットが2000円からです。
URL:上野ビジネスリンク
東京都で私書箱を選ぶ際のポイント
東京都は私書箱サービスの数が多いため、慣れないうちはどこを利用すれば良いのか迷ってしまいがちです。
私書箱選びで失敗しないためには、以下のようなポイントに気を付けてみてください。
受取・保管にかかる利用料金の有無
私書箱の基本料金にどんなサービスが含まれているかは、事業者によって異なります。
「いざ契約してみたら思いの外コストがかかってしまった」といったことがないように、予め料金体系については入念に確認しておくようにしましょう。
特に郵便物の受取・保管に関しては料金の有無がランニングコストに大きく影響します。
有料になっている場合も珍しくないので注意してみてください。
解約料金の有無
契約期間中に利用者の都合で解約すると、解約料金が発生する場合もあるので注意が必要です。
利用規約を熟読し、それでも分からない場合は事業者に問い合わせて確認しておくようにしましょう。
怪しい業者も存在するので注意
私書箱はかつて特殊詐欺やマネーロンダリングに悪用された事例が多数報告されているため、基本的には契約者の本人確認が義務付けられています。
もしも私設私書箱の看板を掲げて本人確認不要を売り文句にしている業者があれば、郵便物や個人情報が悪用される可能性が高いので十分注意してください。
バーチャルオフィスと私書箱の違い
私書箱によく似たサービスとして、近年注目度を上げているのがバーチャルオフィスです。
私書箱とバーチャルオフィスは「住所を提供する」という点で共通していますが、その住所の用途が異なります。
私書箱はあくまで「郵便受取用」としての住所を提供するサービスであり、事業者としての登記には利用出来ません。
一方のバーチャルオフィスは基本的に事業者登記や一般公開を目的として住所を提供してもらうサービスです。
バーチャルオフィス自体に郵便物を受取る役割は備わっていませんが、バーチャルオフィスサービスでは事業者によって様々なオフィス機能が付帯されているのが一般的となっています。
そのため、郵便物受取もその一環として利用出来るケースが多いのです。
私書箱としても活用できるおすすめのバーチャルオフィス
開業に伴って自宅以外の住所を事業に使用したい場合は、業界屈指のコストパフォーマンスを誇るバーチャルオフィスの「NAWABARI」がおすすめです。
NAWABARIは目黒区鷹番の住所が登記に利用可能であり、事業用電話番号の貸し出しや電話の一次受けなどオフィス構築に便利なサービスが用意されています。
もちろん郵便物受取りにも対応しており、Pマーク取得済みなのでセキュリティ面の心配もありません。
特にECサイトでの導入実績が豊富であり、有名プラットフォームでも活用されているバーチャルオフィスです。
安心・安全な郵便物管理をしよう
仕事で取り扱う郵便物は取引先とのやり取りに関連するものも多く、適切に管理することが重要です。
セキュリティの観点から見ても、私書箱やバーチャルオフィスの郵便物受取サービスを活用するのが良いでしょう。
もしも私書箱選びに迷ったら、基本的なオフィス機能をスムーズに構築出来るNAWABARIのバーチャルオフィスがおすすめです。
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東京都の私書箱に関するよくある質問
郵便私書箱を設置する場合は任意の郵便局へ「郵便私書箱使用承認請求書」を提出します。
私設私書箱の場合は事業者によって受付方法が異なりますが、ネット上で申込みが完結するケースが多いです。
私設私書箱の利用料金相場は1ヶ月あたり1500~2000円前後となっています。
これは基本料金のみの相場であり、実際の費用は入会金・デポジット・オプション料金などによって変動するので注意してください。
郵便私書箱には「ほぼ毎日郵便物が届く」「原則として毎日受取りに来る」「最低6ヶ月間以上の継続利用」という条件が課されているため、比較的ハードルが高めと言えます。
私設私書箱は基本的に契約者の本人確認さえ取れれば利用出来るところが多いです。