ネットショップは、店舗を構える必要がないので初期費用・維持費用を安く抑えることができます。
自分のお店をつくりたい、家計を助けるために副業を始めたいときに、ネットショップならば開業しやすいでしょう。
そこで知っておきたいのが、個人でネットショップ開業を成功させる方法です。
今回の記事では、開業までの流れやネットショップ開業の失敗例、成功させる工夫、おすすめのサービスなどを紹介します。
個人がネットショプを開業する方法
ネットショップの方向性を決める
ネットショップ開業にあたって、最初にするべきことは
「どのようなお店にしたいのか」
という方向性を決めることです。
これはコンセプトや構想と言い換えても良いでしょうが、扱う商品やターゲットとなる顧客層などを具体的に考えていきます。
例えば、アパレルショップであれば、ターゲットの年齢によって扱う商品の種類が異なります。
また、同じ年齢層をターゲットにしていても、低品質低価格の商品を扱うお店もあれば、高品質高価格の商品を扱うお店もあるので、方向性が決まっていなければ開業に向けて動けません。
方向性を決めるためには、自身の持つ経験や知識だけでなく、流行や資金なども重要な要素です。
自分が売りたいものだけを売れたらいいのですが、誰も見向きのしないものばかりを扱っていても成果は期待できません。
また、商品の仕入れをするには、相応の資金が必要です。
資金がないのに高級品ばかりを扱うことはできないでしょう。
方向性を正しく決めるには、あらゆる要素を総合的に考慮しなければいけません。
ネットショップを作る
ネットショップの方向性が決まったら、次にやらなければいけないのがネットショップをつくることです。
ECサイト構築についての知識・技術を持っていないのであれば、外注してしまうのも一つの手です。
大企業が運営するネットショップならば複雑なデザイン・構成となり、数百万円、数千万円となることもあります。
しかし、個人経営のネットショップは、シンプルなデザイン・構成で十分でしょう。
クラウドソーシングなどを利用した場合、安ければ20万円くらいで頼めます。
ECサイト構築が出来るほどの知識・技術がないけれども、外注はしたくないときには、ネットショップ作成サービスを利用しましょう。
ネットショップ作成サービスは、料金を支払うことで簡単にECサイト構築ができます。
わかりやすい管理画面を用いて、ネットショップのデザインから商品の登録、注文の対応などをまとめてできる便利なサービスです。
独学でECサイト構築に必要な知識・技術を学ぶときには、ある程度の時間と費用が必要となりますが、ネットショップ作成サービスを利用すれば不要になります。
サイトを作るときには、アクセスしたときの印象を良くすることに加えて、商品を探しやすく購入しやすくすること、連絡先など信頼性を高める情報はわかりやすく記載することなどを心がけましょう。
デザイン性は良くても、購入方法がわかりにくいとか、配送状況の確認がしにくいといった不便さがあれば、客は離れてしまいます。
開業届を出す
ネットショップ開業では、開業届を出しておかないと納税や銀行口座の開設などで不利益を被ることになります。
開業届の提出先は税務署ですが、提出方法は
- 窓口
- 郵送
- e-tax
の3種類です。
窓口と郵送で提出する場合は、まず書類を入手します。
書類は税務署にありますし、インターネットからも書類のデータをダウンロードすることが可能です。
データのダウンロードであれば、自宅や最寄りのコンビニ等で印刷ができるので、税務署へ取りに行く手間を省けます。
書類を用意できたら、事業者の氏名・生年月日、個人番号や納税地など必要な情報を記入していき、窓口に提出あるいは郵送をします。
e-Taxで開業届を出す場合には、環境を整える必要があります。
必要となるのは、パソコンやスマートフォンなどインターネットを使える端末とマイナンバーカード、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダーライタです。
e-Taxのソフトを立ち上げて、メニューボタンで申請・申告の作成に関する項目を選択していくと、個人事業の開業・廃業等届出書の作成画面を出します。
必要事項を入力していき、ICカードリーダーライタでマイナンバーカードをセットして電子署名を付与して送信します。
データの送信ができていれば、e-Taxのメッセージボックスに受信通知が届いているでしょう。
ネットショップ開業の失敗例
集客手段を考えていない
ネットショップ開業をしても、自動的に客が集まるわけではありません。
世の中には、同じような商品を扱うお店が無数にあります。
集客方法のことを考えていないと、数多くある競合の中で埋もれていくだけです。
お店の認知度を高め、売上を上げるためにも、集客方法は事前に考えておく必要があります。
集客方法は、広告バナーの掲載や、SNSやメルマガを使った宣伝などがあります。
お店の方向性や広告宣伝費として出せる金額などを考慮して決めましょう。
リピーターを獲得できていない
ネットショップで安定した売上を得るためには、リピーターの存在が欠かせません。
リピーターを獲得できれば、気に入った商品を何度も購入してくれますし、広告宣伝費などを抑えられて利益率を高めることができます。
それがわかっていても、リピーターを獲得できないのは、
- 扱っている商品の種類や商品に魅力がない
- サポートの態度が悪い
といったことが原因として考えられます。
問題のある部分を改善して、顧客満足度を高めましょう。
競合と差別化できていない
競合と差別化できていないということは、客から選ばれにくいということです。
選んでもらえなければ、売上は期待できません。
一般的にネットショッピングでは、他のお店よりも安いとか他では扱っていない商品を買えるなどの優れた点に注目して利用するお店を決めます。
競合と差別化したいのであれば、価格、品揃えの多さ、利便性などに注目して、競合よりも優位に立てるものをつくりあげましょう。
固定費がかかりすぎている
実店舗のないネットショップにおいても、固定費はかかります。
ECサイト構築で利用しているネットショップ作成サービスの手数料やネットショッピングモールの利用料、決済代行サービスの料金などが、ネットショップで必要となる固定費です。
固定費が負担となっているのであれば、利用しているサービスやシステムの見直しをしましょう。
ネットショップを個人で運営する際の工夫点
在庫を抱えすぎないようにする
ネットショップで、在庫を抱えすぎると仕入れ代や在庫の保管料が利益を圧迫します。
過去の売上や季節等による需要の変化を考慮して、無駄のない在庫数に調整しましょう。
ここで気をつけなければいけないのは、在庫数を減らしすぎないことです。
在庫がないと、注文が来たときに品切れが起きて発送までに時間がかかってしまいます。
発送に手間取れば、顧客満足度が低くなり今後は利用してくれなくなるでしょう。
SNSなどを利用し集客する
SNSは、低コストでお店や商品の宣伝ができるツールです。
情報の拡散がしやすく、高い集客効果が期待できます。
多くのフォロワーがいるインフルエンサーに宣伝を依頼すれば、幅広く情報が伝わり多くの新規顧客を獲得できるでしょう。
また、SNSには、ユーザーと良好な関係を築けるコメントやDMなどの機能があります。
SNSでの交流により、繋がったユーザーはリピーターになってくれたり情報の拡散を手助けしてくれたりするので、中長期的に売上の増加に貢献してくれるでしょう。
住所にバーチャルオフィスを利用する
ネットショップの住所にバーチャルオフィスを利用すれば、現実のオフィスを借りる必要はなくなります。
バーチャルオフィスの賃料は、現実のオフィスよりも格安なのでコスト削減ができます。
また、ネットショップは、運営者情報を掲載しなければいけないのですが、自宅で仕事をしているときには自宅の住所や電話を公開することになります。
そうなると、昼夜を問わず問い合わせの連絡が来ることになり、公私の区別がつかなくなるというのが心配です。
また、自宅に不審者が押しかける可能性もあります。
バーチャルオフィスを利用すれば、個人情報を非公開にできるので安心して生活ができます。
ネットショップ作成におすすめのサービス
BASE
BASEは各種メディアで取り上げられているBASE株式会社が運営するネットショップ作成サービスです。
スタンダードプランとグロースプランが用意されており、スタンダードプランならば初期費用と月額料金は0円、売上からの手数料支払いという形でネットショップ開業ができます。
直感的にパーツを選んで組み合わせていくだけで理想的なネットショップがつくれるので、デザインに関する専門的な知識は不要です。
クーポンの配布(負担はBASE)やアプリへの掲載といった仕組みに加えて、多種多様な拡張機能があるので上手く活用すれば将来的に売上を増やせるでしょう。
STORES
STORESは、STORES株式会社が運営しているネットショップ作成サービスです。
多様な決済手段への対応を始め、SNS連携、予約販売、顧客管理機能、予約販売などの機能も無料で使えます。
初心者でも本格的なネットショップがつくれる点が魅力であり、パソコンやスマートフォンを利用して直感的に自分の店のデザインを考えることができます。
料金はフリープランとスタンダードプランがあり、フリープランならば売上に応じて決済手数料を支払い月額料金は0円です。
月額料金がかかるスタンダードプランは、フリープランよりも決済手数料が低く設定されているので、ある程度の売上を得られるようになったら切り替えると良いでしょう。
カラーミーショップ
カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が運営するネットショップ作成サービスです。
80種類以上の基本テンプレートを用意しており、カスタマイズをすることで自分だけのネットショップをつくれます。
2005年のサービス開始より、多くのユーザーの意見を聞いて機能を追加してきたことで非常に使い勝手の良くなっているのがカラーミーショップの特徴です。
商品の受注・発送から管理機能、集客、分析など様々な機能を利用できます。
料金は有料のレギュラーとラージ、初期費用・月額料金無料のフリープランがあります。
コストを掛けたくないときにはフリープランで、有料プランも開始から30日間は無料なのでまずは使い勝手を試してみましょう。
住所に使用できる!東京のおすすめバーチャルオフィス
NAWABARI
NAWABARIは、ネットショップの住所にも使える東京のバーチャルオフィスです。
BASEなどネットショップ作成サービスとの提携をしており、対象サービスのユーザーならば一部のオプションサービスを割引価格で利用できます。
NAWABARIでは、レンタルアドレス(住所貸し)の他、電話用件・留守電転送、郵便物受取・郵便物転送というサービスも提供しています。
初期費用および年会費は0円
3サービスを利用できるプランは
・1ヶ月プラン1,480円(税込1,628円)
・1年プラン11,760円(税込12,936円)
の2種類です。
1年プランならば1ヶ月980円(税込1,078円)とお得になります。
長くお店を続けるつもりなら、1年プランを選ぶと良いでしょう。
NAWABARIを利用したいときには、まずサイトの申込みフォームより必要事項を入力して送信し、専用アプリからは本人確認書類の画像を送信します。
申込みの内容から、1~2営業日程度の審査を経て結果が伝えられます。
なお個人の申込みでは、審査手数料700円が発生します。
現住所が記載された運転免許証(在留カード)を本人確認書類にしているときは、審査通過後の案内が届いたらNAWABARIの利用が可能です。
ネットショップの開業に向けて準備をしよう
ネットショップは、事前の準備を怠り、いい加減な運営をしていれば失敗するだけです。
成功をしたいのであれば、慎重と言われるほどに入念な準備をしておきましょう。
準備するべきことは、成功例と失敗例から読み解くことができます。
さらに魅力的なネットショップをつくりたいのであれば、便利なネットショップ作成サービスやバーチャルオフィスを積極的に活用しましょう。